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2021年
07月11日

お茶のお稽古、夏の設えからみる涼のおもてなし、日本人の感性

食空間プロデュース会社、花生活空間代表の浜裕子です。

通わせて頂いているお茶のお稽古の夏の設え。

涼を感じる設えの一つに、葉蓋があります。

たっぷりと水を張った水差しに、柄杓を右左と流すことで、水音と波紋がなんとも涼感を与えます。

葉蓋のお手前、大好きなのです。

床の扇には、万葉集、大伴家持の「千鳥鳴く佐保の河門の清き瀬を馬うち渡し何時か通はむ」の歌。

「千鳥鳴く佐保川の渡しの清き瀬を馬を渡していつか通いたいものだ」という情熱的な恋歌なのですが、真ん中の清き瀬の文字で涼を感じとるそうです。

恋歌を茶室で使われるのは、珍しいのですが、初めて恋歌を茶室に掛けたのは、千利休といわれています。

お花は、半夏生と白山吹の実。

実際に温度が下がるわけではないのですが、水の音や風、涼感を呼ぶ書で、涼しく感じる日本人の感性素敵だなとつくづく思います。

設えの楽しみ方は、もてなす側、もてなされる側、双方に、言葉にださないけれど、共通の認識や教養があると、より奥深い味わい間を楽しめるのではと思います。

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